聞こえているのに分からない?聴覚情報処理障害(APD)とは
聞こえに問題がある、というと聴力が低くなっていることとイコールで考えがちです。
しかし中には聴力には問題がないのに聞き取りに問題が起こる場合があります。
今回はそんなAPD(聴覚情報処理障害)についてまとめたいと思います。
APD(聴覚情報処理障害)とは
聴覚情報処理障害とは、音としてはよく聞こえているのですが「何を言っているのか分からない」といった障害になります。
周りから見ると難聴と似ているようにも見えますが、聴覚を調べると問題がなく中枢性聴覚情報処理に問題があるのではないかとも言われています。
研究がまだ進んでいないこともあり、この症状の定義づけや原因は未だ不明です。
国内でも検査施設が足りずこの症状の認識が広まっていないため、障害に気づかれないことも多く、周りに理解されないまま対人関係や仕事で悩みを抱えるケースも見られます。
APDの特徴的な症状は
・聴覚に問題がないが、軽度の難聴のように感じる
・一度、言われただけでは物事を理解できない
・聞き返しが多い
・雑音が多いところでは聞き取りが難しい
・口頭での指示が理解しにくい
・早口や小さな声などは聞き取りにくい
・長い話になると注意して聞き続けるのが難しい
・聴覚情報での学習が難しい
・雑音の中での電話が聞き取れない
・聞き間違えが多い
APDかもしれないと思ったら
もし上記のような症状がありAPDかもしれないととお悩みの場合は、近くに専門の医療機関がないか探してみましょう。
その上で専門の医師とまず相談することがおすすめです。
薬を飲んで治すといったことができる病気ではないので、直接的な治療法はありませんが、長年悩みを抱えてきた方なら診断されることにより心理的な負担の軽減にも繋がります。
その上で、過ごしやすくするために聴覚トレーニング取り組むのもおすすめです。
聞き取りの注意力や記憶力をトレーニングにより鍛えることで、聞き取り能力を向上させることにも繋がります。
また、仕事や友人、家族関係など対人関係でのトラブルも起きがちなので、周りからのサポートも大切です。
現在、APDは身体障害者手帳の交付や補聴機器の助成対象にはなっていません。
しかし、こうした症状を抱える人は100人に2〜3人とも言われ、悩みを抱えている方も多くいると思われることから今後はそう言った行政からのサポートも期待されます。